会社を退職すると保険や年金について自分で選択し、手続きを行わなければなりません。
今回は会社員時代に加入していた保険を任意継続する際の手続きについてです。
任意継続とは
『国民皆保険制度』という言葉があります。これは「国民全員が何らかの公的医療保険に加入し、かかる保険料を負担しあう」という制度です。日本ではこの制度を採用しているので、みんなが保険料を月々払っていることで診療を受ける時に払う金額が少なくて済んでいるのです。
会社員の時は給料から天引きで保険料を支払っていたため意識することは少ないですが、フリーランス(個人事業主)は自ら手続きをして支払わないといけません。手続きを行わないともちろん請求は来ません。その代わり医療機関で全額負担となってしまいますし、そのうち手続きをする必要に迫られた時に遡っての請求を受ける可能性がありますので、真面目に支払って行った方が無難です。
任意保険を選ぶ理由
フリーランスの選択できる保険には3種類あって、
1.国民健康保険
2.会社の保険の任意継続
3.国民健康保険組合
というラインナップ
選んだ保険によって毎月の保険料は違ってくるので、自分にあったものを探しましょう。
おそらく一番安いのは「3.国民健康保険組合」です。ただしこれは誰でも入れるわけではなく、自身の行う事業が条件に即していた場合だけです。私は入れなかったので今回は対象外です。
残った選択肢は2つ。まず「1.国民健康保険」の金額は前年の所得によって変わってきます。対して「2.会社の保険の任意継続」は退職時の標準報酬月額から算出されます。任意保険は2年間しか加入できませんが、その間に保険料は変化しません。金額は給与明細を見て引かれていた金額から会社負担分がなくなるため、およそ2倍と思っておけば良いです。
会社員のITエンジニアがフリーのエンジニアとして客先常駐で働く場合、ほとんどの場合は収入が上がっていると思います。それも大幅に。所得により計算される方式だと、支払う金額も大きくなっていまします。任意保険の終了する2年後からはあきらめて国民健康保険に入ることになりますが、少しでも安くしたいのなら、任意保険に切り替えることをオススメします。
手続きの方法、注意点
手続きはいたって簡単で、全国健康保険組合のホームページから任意継続被保険者資格取得申出書をダウンロードして印刷し、記入したものを郵送するだけです。退職に伴い被保険者資格が喪失していることが協会にはわかっているので、特に退職を証明できる書類等はいりません。
郵送してしばらくすると、保険証と初回納付の支払い票が送られてきます。口座振替用の用紙も付いてくるので必要な方は続けて手続きをしてください。最初のうちはコンビニ等で振り込む必要がありますが、納付期限日を1日でも超過するとすぐに資格喪失となるので忘れっぽい方は早めに支払ってください。再加入はできません。
注意したいのが退職後20日以内の手続きを終えなければならないこと。正確には20日以内に郵送した書類が相手先に届いている必要があります。それも書類不備なく。
会社を辞めてフリーランスとして活動し始める際には他にも開業届や年金の手続き等もありますが、これが一番期限が短くて厳しいです。というかこれ以外は遅れてもなんとかなります。
さいごに
記入する内容は特に難しくありません。忘れずに手続きすることだけが大切です。
そして2年後には新たに国民健康保険の加入手続きが待っていることもお忘れなく!
お役に立てたでしょうか。それでは
執筆者:Auderit
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